わが国は戦後著しい発展を遂げ、世界における経済大国として、その地位を確固たるものとしました。しかし、近年の国際化、情報化、成熟化の急速な進展に伴い、わが国経済も内外の厳しい環境の中で新たな対応に迫られています。このような環境のなかで、わが国産業の活性化、高度化を進め、時代の流れに沿った新たな発展を目指すため、科学技術の研究開発機構の整備充実や情報収集機能の強化、特に次の時代をになう人材の育成を図る必要があります。

三重県におかれましても、このような観点から各種の施策を積極的に進められておられますが、その効果をあげるためには民間の立場からもこれに協力し、官民一体となって進めることが、地域の発展にとっても強く望まれるところであります。

ご高承のとおり、岡三証券株式会社は三重県を発祥の地として、三重県民の方々の温かいご支援のもとに発展してまいりましたが、昭和63年4月の創業65周年を記念して、三重県の皆様に感謝の意を込め、いささかなりとも地域の発展に寄与するため、三重県における科学技術および施設に対する助成、科学知識の普及啓発に対する助成、文化活動に対する助成を行うことにより、三重県の地域社会に貢献することを目的として、岡三証券株式会社ならびに同社社長であった加藤精一個人の醵出資金により、岡三加藤文化振興財団を設立するものであります。