2024年2月
当財団文化活動助成の助成先である大倉源次郎氏(重要無形文化財保持者)らが4年ぶりに、三重県教育員会のご協力のもと以下の小中学校を訪問し、「子ども能楽囃子体験教室」を開催されました。
コロナ禍前よりも多くの学校で開催され三重県下北部から南部まで巡っていただきました。
それぞれの学校の皆さん(生徒・教員の方々)からは大変大きな感動と体験をさせていただいたとお喜びのお言葉をたくさん頂戴いたしました。
能楽教室開催状況
2/5 鈴鹿市立深伊沢小学校、津市立安濃小学校
2/6 私立 三重中学校、多気町立佐奈小学校
2/7 亀山市立加太小学校、川崎小学校
2/8 熊野市立金山小学校、木本小学校
2/13 東員町立稲部小学校、桑名市立大山田東小学校
2/14 伊勢市立浜郷小学校、四郷小学校
2023年11月
11月4日14時、晴天の外宮(勾玉池の舞台)にて、助成先である観世喜正氏による恒例の奉納能が行われました。
無料開放された観覧席は能楽に興味のある方々および外宮参拝の方々で満席状態。
皇學館大學の能楽同好会の前田講師の司会でスタートし、奉納能「船弁慶」では観世氏親子共演も観られ観客の方々も拍手喝さいの舞台でした。
その後、皇學館大學同好会の方々の発表会となり、無事に終えることができました。
2022年11月
11月30日、当財団の助成先である名古屋大学大学院理学研究科附属「菅島臨海実験所」を訪問し、森田真布助教より研究内容の説明や実験所の案内をしていただきました。
菅島臨海実験所には中之郷船着き場に迎えに来ていただき、名大専用船にて菅島に行きました。
森田助教の研究は「海洋共生微生物がもつ有用物質生産遺伝子の探索と機能解明」。
海洋共生細菌に着目してバイオインフォマティックと生化学手法を駆使して面白そうな物質を発見し、人類に役立つ医薬品等を創出するというもので、ノーベル賞級の「夢」がありますが、無限大の時間がかかりそうなご研究ですね?
森田先生からは非常に詳しくわかりやすく教えていただきましたが、メチャクチャ難しい!でも、ありがとうございました。素晴らしい最終報告書を期待しております。
2020年10月
当財団の助成先である観世喜正氏による伊勢神宮への奉納能及び皇学館大学の同好会発表会が神宮外宮の勾玉池舞台にて行われました。
コロナ禍の中、春先の予定が延期されていましたが関係者のご努力で開催できました。当日は、秋晴れの中、参詣の方々が足を止め見入っておられたのが印象的でした。
2020年1月~2月
当財団の助成先である大倉源次郎氏(能楽小鼓方 大倉流十六世宗家)による「能楽囃子体験教室」が1月29日~30日、2月4日~5日の間に実施されました。今回は8校に訪問いただき各校とも非常に喜んでいただきました。
能楽教室開催状況
桑名市立藤が丘小学校・四日市市立三重北小学校・津市立成美小学校・三重大学附属小学校
特別支援学校「玉城わかば学園」・玉城町立外城田小学校・松阪市立港小学校・私立三重中学校
2019年9月
当財団助成先である「農研機構・野菜花き研究部門」の村田未果上級研究員を訪問し、研究内容をご説明いただきました。
豊島室長(左)と村田研究員(右)
村田上級研究員は微小昆虫「ミナミキイロアザミウマ」における光に対する生得的特性の解析に取り組んでおられます。この農業害虫が赤色の光を嫌う特性を生かし、赤色LEDを使った害虫防御装置開発を進めておられます。
「なぜ、赤色光を嫌がるのか?」は、まだ完全には判明していないため同害虫のさまざまな光に対する反応をひとつひとつ地道に研究していく必要があり、現在は生物の眼の研究をされている浜松医科大学の先生とともに研究されています。
成果がでるまで長い作業で非常に地道ですが、農業事業者にとってはこのような地に足が着いた研究が必要なんですね!同研究室の豊島研究室長にも研究に関するお話を聞かせていただきました。
筒に入った害虫にLEDの光をあて反応を確認する研究器具
2019年7月
当財団の助成先である観世流シテ方「観世喜正」氏が、7月7日に指導先の皇學館大学能楽同好会の方々の発表会をかねて神宮参集殿にて例年通り奉納能「演目=逆矛」を実施されました。
通常は、5月連休に行われていましたが、今年は令和への改元があり開催日が変更されましたが、観衆は例年どおり多くの方々が鑑賞されていました。
2019年3月
当財団の助成先である三重県立白子高等学校を訪問し創作ミュージカル「鈴鹿の偉人 大黒屋光太夫」を観劇しました。
吹奏楽コースの生徒が脚本・作曲・演奏・出演はもとより衣装・舞台道具・ポスター・チラシ・パンフレットの制作までオリジナルで手掛けております。
12年間続くこのミュージカル公演は年々内容の充実が感じられます。
2019年1月~2月
1月28日、29日及び2月4日、5日に当財団の助成先である大倉源次郎氏(人間国宝)と三重県教育委員会共催の2018年度の「子ども能楽囃子教室」が以下の日程で開催されました。
いずれの学校でも大変高い評価を得ており、さらに「能」という伝統芸能が三重県下の方々に親しまれるよう助成していきたいと思います。
能楽教室開催状況
1月28日松阪市立機殿小学校・松阪市立揥水小学校
1月29日松阪あゆみ特別支援学校・伊勢市立四郷小学校
(能楽師…大倉源次郎・河村大・田茂井廣道・佐鴻泰弘・加藤洋輝)
2月4日名張市立蔵持小学校・名張市立すずらん台小学校
2月5日四日市市立八郷小学校・私立高田中学校
(能楽師…吉阪一郎・大江信行・竹市学・前川光範・山本寿弥)
2018年11月
11月5日、当財団の助成先である三重県立桑名西高等学校を訪問し、倉田校長 川北先生に面談しました。
その後、実際に活動に取り組んでいる生徒の皆さんおよび川北先生より、「マミズクラゲ」について研究内容を項目別に説明をしていただきました。
現在、研究を纏める作業をされており、来年2月の発表を目指しているとの事です。
三重大学をはじめ、各分野の専門家の方々の協力を得ての継続した研究発表が充実した成果の発表となることを期待したいですね。
2018年10月
10月2日、「相境界を利用した高容量リチウム二次電池正極材料の高レート特性の発現」をテーマに取り組んでおられる当財団の助成先である三重大学工学部森大輔准教授の研究室を訪問し、お話を伺いました。
森准教授のご説明によると「我々の研究室ではリチウム二次電池および高容量、高エネルギー密度が期待されるリチウム空気電池、全固体電池、水溶液系金属塩化物電池などの次世代電池の研究に取り組んでおります。近年、リチウム二次電池についてもPCやスマートフォンなどの小型機器から自動車などの大型機器への用途が広がっており、これまで以上の特性向上が求められております。本研究助成では、正極材料の相安定性を利用した高出力の正極材料の研究開発に取り組んでいます。」とのことでした。
すばらしい研究成果が期待されますね!
2018年9月
9月29日(土)の12:30から、当財団の助成先である彼岸花映画祭実行委員会が主催する「第4回 彼岸花映画祭」が三重大学 三翠ホールで開催されました。
第一部では、「山田洋次作品に微笑みかけたメロディーたち」をテーマに、三重大学の兼重直文教授によるコンサートがソプラノ歌手の佐波真奈己さん及び三重大学管弦楽団のご協力のもと行われました。
ついで第二部では実行委員会の吉村氏の映画解説の後、「武士の一分」が上映され多くの参加者から最後に大きな拍手があり、イベントは成功裏に終了いたしました。
2018年7月
当財団の研究助成先である三重県農業研究所の大門研究員を訪問し、研究内容について説明見学をさせていただきました。
大門氏(左)と 山本課長(右)
大門奈那子研究員は「ビタミンK高含有モロヘイヤの開発」を研究課題として取り組まれております。モロヘイヤは三重県が全国第3位の生産をしており松阪地区中心に活発に栽培されていますが、遮光をすることにより骨の発育に必要なビタミンKの含有が増加することが確認されていますが、遮光することによりビタミンCが減少してしまうことからビタミンCを減少させること無く、ビタミンK高含有のモロヘイヤの開発に取り組んでおられます。きめ細かい取り組みにより、すばらしい成果が期待されます。
2018年6月
当財団の文化活動助成先である三重県立白子高等学校の吹奏楽部によるサマーコンサートが6月9日三重県総合文化センターにて開催されました。
一般のファン方も大勢来場されており入口は長蛇の列で、本年は例年以上の盛り上がりを見せていました。
2018年5月
当財団文化活動助成先の観世喜正氏(観世流 能楽師)が活動の一環として恒例の伊勢神宮での奉納能を5月6日に伊勢神宮内宮の参集殿にて催されました。
まず、観世氏親子による奉納能の後、皇學館大学の方々による発表が行われました。堪能された顧客は通常の外宮での奉納能を上回る盛況振りでした。
2018年1~2月
当財団の助成先である大倉源次郎氏(小鼓 大蔵流第十六世宗家)企画の「子ども能楽教室」が、三重県教育委員会のご協力の下、昨年に続き開催されました。
一部、大変残念ながらインフルエンザ流行の影響で開催できなかった小学校もありましたが、今回も大勢の児童・生徒の皆さん(約800名)に参加していただき、楽しみながら伝統芸能を学んでいただきました。
能楽教室開催状況
1月29日 30日 名張市立名張小学校、名張中学校、津市立一志西小学校
2月6日 7日 伊勢市立進修小学校、私立皇學館中学校、伊勢市立明倫小学校、私立三重中学校
2017年11月
2017年11月11日(土)の9時から、当財団の助成先である三重県立津西高等学校(津西高校)のサイエンス・パートナーシップ・プログラム(SPP)の一環として、生徒たちによる近隣の小学校児童を対象とした理科実験室が開催されました。
津西高校の生徒たちは初めて経験する「教える」立場に、当初こそ緊張や戸惑いも見られましたが、次第に笑顔が広がっていました。当日は多数の児童が参加して積極的に質問する姿も多く見られ、活発な理科実験勉強会となりました。
なお、2017年12月15日(金)には、「津西SPP生徒発表会」が行われる予定です。
2017年9月
2017年9月30日、当財団の助成先である彼岸花映画祭実行委員会の主催による、「彼岸花映画祭in津」が三重大学構内の三翠ホールで開催されました。
1,000名ほどの観衆を前に、第1部は兼重教授(三重大学)を中心としたピアノ・声楽・ハープを使った映画音楽メロディーが奏でられました。また、第2部は、小津安二郎監督の「秋刀魚の味」が上映され、大変好評をいただきました。
2017年9月
2017年9月30日、当財団の助成先である三重県発明協会による、子供たちの「発明くふう展」が津リージョンプラザ展示室にて開催されました。
県下の小学生などによる、身近な発明工夫が様々展示されていて、会場には、ほのぼのとした雰囲気が漂い、子供たちの秀作が来場者の笑顔を誘っていました。
2017年9月
2017年9月29日、当財団の助成先である鳥羽商船高等専門学校の瀬田広明准教授を訪問し、研究内容についての説明を伺いました。
今回伺った研究の目的は、
(1) 海上交通センターで実施されている船舶交通管理手法の改善や向上に役立たせる。
(2) 自動保存する機能を持った可搬型の海上交通観測装置を開発する。
という2点です。
これらの研究がまとまれば、リアルタイムに近い形での航行シミュレーションが可能となり、シミュレーションレベルの向上が期待されます。
また、このデータをもとに各船舶の安全性評価も可能になることが期待されます。
2017年5月
今年も5月3日に文化助成先の観世喜正氏が、伊勢の外宮にて指導先の皇学館大能楽同好会の皆さまと共に奉納能を演じられました。演目は『歌占(うたうら)』、多くの参拝客の方々が足を止めて魅入っておられました。
2017年2月
当財団の平成28年度助成金交付先である大倉源次郎氏(小鼓 大蔵流第十六世宗家)と三重県教育委員会との共催による「こども能楽囃子教室」が、昨年度に続き開催されました。
今年度は、下記8校において開催し、延べ約700名の児童・生徒にご参加いただきました。
2000年度にスタートした当教室が今年度も開催され、多くの児童・生徒の皆さんに三重県発祥といわれている伝統芸能「能」に触れていただけたことは意義深く、本物の能楽のすばらしさを味わっていただけたのではないでしょうか。
能楽教室開催状況
02/07(火) 松阪市立中原小学校(5・6年生)、松阪市立第二小学校(5・6年生)
02/08(水) 松阪市立射和小学校(5・6年生)、私立三重中学校(2年生)
02/27(月) 三重県立緑ヶ丘特別支援学校(小、中、高等)、三重県立名張桔梗丘高等学校(2年生)
02/28(火) 四日市市立八郷西小学校(6年生)、津市立成美小学校(5・6年生)
2016年10月
2016年10月12日、当財団の助成先である鈴鹿工業高等専門学校の打田正樹准教授を訪問し、研究内容をお聞きしました。
今回の助成対象のテーマは「手関節リハビリ支援ロボットに関する研究」。
現在、後遺症患者の増加、高齢化等により体が不自由な方が増加しており、これにより医療費・介護費の増加などの問題が発生しているとのことです。これに対して、ロボットの導入が省力化・効率化の点で大いに注目されているのです。
打田准教授は、藤田保健衛生病院七栗サナトリウムの現場スタッフの方々のご協力を得て、手関節の動作を回復させるリハビリロボットの開発に、若き学生とともに熱心に取り組んでおられます。
2016年5月
2016年5月4日14時より、当財団の平成27年度文化助成先である観世喜正氏による奉納能公演が開催されました。
天候にも恵まれたなか演目「龍田」が披露され、外国人観光客を含む大勢の観客が見守る中、外宮の勾玉池の舞台で開催されました。
一流の能楽師による舞台は幽玄の世界に引き込まれ独特の空気が漂い、観客の方々にもご堪能していただけた一時でした。
2016年2月
当財団の平成27年度助成金交付先である大倉源次郎氏(小鼓 大蔵流第十六世宗家)と三重県教育委員会との共催による「こども能楽囃子教室」が、昨年度に続き開催されました。
当教室は、プロの能楽師が学校を訪れ、知識を教えるだけでなく、直に仕舞や楽器を体験することで、能楽の真の楽しみを知ってもらおうとするものです。
今年度は、下記8校において開催し、延べ約800名の生徒にご参加いただきました。
本物の能楽囃子を鑑賞・体験するのはほとんどの生徒にとって初めてのことであり、貴重な時間を過ごすことができたとの感想をいただくなど意義深い催しとなりました。
能楽教室開催状況
02/08(月) 名張市立薦原小学校(全学年)、名張市立美旗小学校(5・6年生)
02/09(火) 津市立高宮小学校(5・6年生)、津市立美杉小学校(3~6年生)
02/16(火) 松阪市立西中学校(1年生)、私立三重中学校(2年生)
02/17(水) 松阪市立松尾小学校(6年生)、私立皇學館中学校(1・2年生)
2015年10月
2015年10月5日、当財団の平成27年度助成金交付先である津工業高等学校を訪問しました。
当日は、助成テーマである『宇宙エレベーター軽量クライマーモデル(SPIDER)の研究開発活動と三重県内での啓発・普及活動』について、村井校長および指導担当の長谷川先生と澤井先生がご説明くださいました。
その後、活動教室にて生徒さんが研究開発しているクライマーモデルを見せていただきました。校舎の横に作ったエレベータ用ロープを試作中のクライマーモデルが勢いよく昇降する姿は、挑戦を予定しているイベント大会での好成績を期待させてくれました。
2015年9月
2015年9月1日、当財団の平成27年度助成金交付先である三重県工業研究所 窯業研究室(四日市)の真弓悠研究員を訪問しました。
研究テーマである『細孔径分布を連続的に変化させた傾斜機能を有する多層セラミックスの開発』について説明を受け、研究室を案内していただきました。
セラミックスと金属の複合傾斜機能材料はすでに開発されていますが、異種素材間での境界面が存在するために、機械的強度や熱衝撃特性が低下するなどの問題がまだあります。
今後、境界面を無くした材料を開発することで、多方面(窯業・航空宇宙・触媒分野など)での活用が期待できます。
2015年6月
当財団の平成27年度助成金交付先である三重県立白子高等学校吹奏楽部の「2015プレサマーコンサート」が、6月13日、14日の2日間にわたり三重県総合文化センターにおいて開催されました。
当日は満員の観客の中、小気味よいハイレベルな吹奏楽が披露されました。
2015年3月
当財団の平成26年度助成金交付先である能楽大倉流小鼓方十六世宗家大倉源次郎(東京都世田谷区)氏は、三重県教育委員会との共催により、小中高学生を対象にした「子供能楽囃子体験教室」を昨年度に続き開催されました。
当能楽囃子体験教室は、プロの能楽師が学校を訪れて知識を教えるだけでなく、直に仕舞や楽器を体験することで、能楽の真の楽しみを知ってもらおうとするものです。
当財団の助成のもと、大倉源次郎氏が三重県教育委員会のご協力を得て2000年度から始め、これまで100校を超える学校で開催されました。今年度は、下記8校において開催し、延べ1,000名近い児童生徒にご参加いただきました。
教室では、大倉源次郎氏一行(延べ10人)が能楽を披露し、笛、鼓、太鼓などの能楽器や能面の材質などの説明が行われ、その後、児童生徒達が実際に楽器を鳴らしたり、掛け声を出してみたりして能楽を体験しました。
近年、能楽は教育プログラムにも組み込まれるようになっておりますが、専門的な技術を持って子供たちにきちんと伝えていける専門家が少なく、ご要望に応えられないのが実情です。当財団といたしましては、これからも三重県下における「能楽体験鑑賞教室」等の文化活動に対して、継続したご支援ができるように務めてまいります。
能楽教室開催状況
02/16(月) 伊勢市立豊浜中学校(1・2年生)、私立三重中学校(2年生)
02/17(火) 伊勢市立進修小学校(全児童)、松阪市立西中学校(1・2年生)
02/24(火) 松阪市立東黒部小学校(全児童)、松阪市立松尾小学校(中・高)
02/25(水) 名張市立桔梗が丘小学校(6年生)、三重県立城山特別支援学校草の実分校
2015年1月
2015年1月25日、当財団の助成金交付先である三重映画フェスティバル実行委員会が開催する映画試写会を訪ねました。
三重映画フェスティバル実行委員会では、映画館の無い地域や映画鑑賞が困難な施設の方々への映画試写会を開催する活動を行っています。
このたびの上映会は、三重県津市一身田『寺内町の館』において開催されました。
会場となった一身田地域は、時代劇の撮影がたびたび行われた浄土真宗高田派本山『専修寺』を中心とした、古い街並みが残る地域です。
当日は、津市にゆかりの深い名監督である小津安二郎氏の作品『麦秋』が説明を交えながら上映され、多くの地域住民(20~30名)が楽しんでおられました。
上映風景
2014年10月
2014年10月15日、当財団の助成金交付先である三重大学大学院工学研究科の成瀬教授を訪ね、お話を伺いました。
当日は、大学院生の加藤さんとご一緒に、専門的な研究内容をかみ砕いてご説明いただきました。研究されているテーマは「トンネル内空変位センサーの研究」です。
近年、トンネル災害が社会問題の1つとなっています。三重県南部は特にトンネルが多い地域であり、各市町村を結ぶ幹線道路でもトンネルが活用されていますが、一方で老朽化も目立ってきています。
成瀬教授の研究は、トンネル事故を防止する1つのツールとして、トンネルの半径方向の変位(内空変位)を計測するための光ファイバーを活用したセンサーの開発、ならびにその情報を処理できるネットワークの開発です。これにより、いち早く『ひずみ』を検出することでトンネル事故防止につながる体制を確立しようとしています。
この研究が早期に実用化され、我々利用者が今よりさらに安心してトンネルを利用できるようになることを期待します。
2014年8月
2014年8月20日、当財団の助成先である三重県農業研究所の藤田研究員を訪ね、お話を伺いました。
同研究所では、2013年に『フード・循環研究課』を創設し、土壌・大気・水の環境改善や、食習慣病予防・健康づくりのための食品および農作物生産技術の開発に取り組んでいます。
三重県は、かんきつ類の生産が盛んで、静岡・和歌山・愛媛といった大生産地ほどではないものの、県南部(特に東紀州地域)を中心に生産されています。
一方で、生産地間の競争は激しく、単に“おいしい”“安い”だけではない、付加価値の創出が課題となっています。
そのような中、藤田研究員が取り組んでいるのが、『健康な骨の維持!高機能性かんきつを創出する』というテーマです。
かんきつ類には、骨粗鬆症予防効果が期待される機能性成分(フラボノイド類、β-クリプトキサンチン)が豊富に含まれています。一方で、これらの機能性成分の組成や含有量は、品種によって異なっています。
そこで、かんきつ類を食品として摂取したときに期待できる骨粗鬆症予防効果を総合的に評価し、高機能性品種を効率的にスクリーニングする方法の確立に取り組んでいます。そして、この方法を育種へ応用し、高機能性かんきつ新品種の開発を目指しています。
全国では約3,000万人の『骨粗鬆症予備軍』が存在すると推測されています。
これらの方々をメインターゲットとして、多彩な有効成分に富み、特定健康食品に匹敵するほど高付加価値のかんきつを開発・育成できれば、県南部の産地振興への貢献が期待されます。
2014年8月
2014年8月6日、当財団の助成先である三重県保健環境研究所を訪ね、楠原主任研究員より、研究所の概要と研究内容についてレクチャーいただきました。
楠原氏は、リアルタイムPCR法という方法を用いて先天性風疹症候群の検査診断をより迅速にすることなどを、研究のテーマとされています。
『風疹』が妊婦に及ぼす影響は、大きな社会問題の1つとなっています。
国内における風疹患者報告数は、2010年に87例(内、三重県1例)まで減少していましたが、2011年以降は増加に転じ、2013年には14,357例(内、三重県99例)にまで急増してきています。このうち、妊産婦に影響を与えた例は全国で32例、三重県下でも2例の報告があります。
人口比で見ると、三重県は発症数が多い県の1つであり、風疹への取り組みが急務となっています。
通常、風疹診断には6時間程度を要しますが、リアルタイムPCR法を用いることで、1~2時間に大幅な短縮が計れるそうです。早い診断ができれば早い対応が可能となります。
ぜひ、楠原氏の研究が新しい検査体制の確立につながることを期待します。
2014年7月
2014年7月10日、当財団の助成先である三重県林業研究所の西井主幹研究員を訪ねました。
同研究所では、きのこ類の研究に力を入れておられ、訪問当日は萩原所長、佐野研究管理監ら幹部の方々からも、三重県下での林業全体の生産額(約60億円)に対し、きのこ類のウエイト(約20億円)が我々が想像している以上に高いことなどを教えていただきました。
西井 主幹研究員
特に研究課題としている『ハタケシメジ』に関しては、年間40tの生産量で全国第3位に位置しているそうです。第1位・第2位は大手事業者が一手に生産に取り組んでいるのに対し、三重県では、零細な生産者の方々(県下で9軒程度)の努力で生産が成り立っている現状についても解説いただきました。
研究所外観
その後は、西井主幹研究員のご案内で研究棟内を見学させていただきました。取り組んでいる課題は、現在使用している菌種である20年前に作られた『亀山1号』に代わる『ハタケシメジの新しい株』の開発を中心にした研究であり、特にバーク堆肥(木材の皮をコアとした堆肥)の使用にこだわっているとのことでした。現状、西井主幹研究員お一人で、県下の研究・指導を支えている状況であり、その中で新たな菌種の開発などに取り組んでおられる姿勢には頭が下がる思いでした。
研究対象のキノコ
2014年3月
当財団による助成金(文化活動に対する助成)を受け、観世流シテ方 観世喜正(かんぜ よしまさ)氏は、2014年3月24日、伊勢神宮外宮奉納舞台にて奉納能を公演されました。
また、同氏が教えておられる皇學館大學能楽同好会による謡・仕舞の奉納も行われました。
2014年2月
当財団の平成26年度助成金交付先である能楽大倉流小鼓方十六世宗家大倉源次郎(東京都世田谷区)氏は、三重県教育委員会との共催により、小中高学生を対象にした「能楽体験鑑賞教室」を昨年度に続き開催されました。
当能楽体験鑑賞教室は、プロの能楽師が学校を訪れて知識を教えるだけでなく、直に仕舞や楽器を体験することで、能楽の真の楽しみを知ってもらおうとするものです。当財団の助成のもと、大倉源次郎氏が三重県教育委員会のご協力を得て2000年度から始め、これまで100校を超える学校で開催されました。今年度は、下記8校において開催し、延べ900名近い児童生徒に参加いただきました。
教室では、大倉源次郎氏一行10人が2班に分かれ学校を訪問し、能楽を披露し笛、鼓、太鼓などの能楽器や能面などの説明を行いました。その後、児童生徒達が、実際に楽器を鳴らしたり、掛け声を出してみたりして能楽を体験しました。
近年、能楽は教育プログラムにも組み込まれるようになっておりますが、専門的な技術を持って子供たちにきちんと伝えていける専門家が少なく、ご要望に応えられないのが実情です。当財団といたしましては、これからも三重県下における「能楽体験鑑賞教室」等の文化活動に対して、継続したご支援ができるように務めてまいります。
能楽教室開催状況
02/03(月) 松阪市立香肌小学校(30名)、私立三重中学校(131名)
02/04(火) 伊勢市立修道小学校(93名)、伊勢市立宮山小学校(32名)
02/18(火) 三重県立聾学校(13名)、私立セントヨゼフ女子学園(500名)
02/19(水) 津市立安東小学校(76名)、津市立一身田中学校国児分校(24名)
2013年10月
当財団「平成25年度研究助成」を受けられました、三重県水産研究所 尾鷲水産研究室の中村研究員を事務局が訪問しました。
中村研究員(左)と土橋室長(右)
研究テーマについて
中村研究員の研究課題は、『マダイ養殖のコスト削減試験』です。地元三重出身の若手研究者である同研究員は、課題解決に向けた地道な研究に取り組んでおられます。この研究で目指すコスト削減は、飼料の配合見直しおよび養殖特有の(狭く、網で囲われている環境下での)病気予防が主眼になっています。
訪問当日は、中村研究員の他に土橋靖史室長も加わっていただき、研究の進捗状況を丁寧にご説明いただきました。また、研究室の船に同乗させていただき、実際の試験用生簀を見ながら現場でのご説明もしてくださいました。
試験用の生簀
訪問を終えて
自然が相手で思うようにならないことも多々あるのでしょうが、地道な研究にも明るく楽しそうに取り組んでおられる姿を見ると、三重県南部の漁業に役立つ成果として努力が結実されることを大いに期待したいと思いました。
2013年9月
当財団「平成25年度研究助成」を受けられました、三重県工業研究所の村山主任研究員と森澤研究員のお二人を事務局が訪問しました。
村山 正樹 主任研究員の研究テーマ
村山主任研究員は、今注目の『リチウムイオン電池』の高容量化に関する研究をしています。
専門的な話になりますが、材料探索として元素の周期表に着目し、14族元素を中心とした高容量二次電池負極活物質の探求を行っており、特にシリコンおよびPb(鉛)に期待されています。
森澤 諭 研究員の研究テーマ
森澤研究員のテーマは、『複合添加剤によるプラスチックの導電性向上』です。様々な添加材を汎用樹脂に加え、強度性能を保持したまま導電性を向上させた新規材料の開発に取り組んでいます。
見学させていただいた実験現場は、非常に地道な実験の繰り返しで、根気との戦いの現場でした。
訪問を終えて
熱心に研究に打ち込まれている両研究員にお会いして、三重の地から産業界を牽引する発明が生まれることを期待したいと感じました。
2013年8月
当財団「平成25年度研究助成」を受けられました三重大学教育学部長、藤田達生教授をお訪ねし、研究のテーマである『藤堂高虎』の人物像についてお話を伺いました。
藤堂高虎は実際にはどのような人物だったとお考えですか?
藤堂高虎に対する一般的な三重県民の印象としては、主人を転々と変え風見鶏的な行動で最終的には家康に取り入り伊賀・中伊勢を手に入れた戦国武将というイメージを持つ方が多いのですが、実は、藤堂高虎は近江の国甲良に生まれ、ずば抜けた体格(身長190センチ)を持つ勇猛果敢な武将であり、かつ、経験知識・多様な人脈は群を抜き、並々ならぬ大名であったようです。
藤堂高虎を大きく成長させた契機は何だったのでしょうか?
藤堂高虎は7人の主人に仕えたと伝えられていますが、その中でも、豊臣秀吉の弟で、豊臣政権の中枢を担っていた秀長に仕えたことが、彼を大きく成長させたと考えています。
秀長は、ご存知のように秀吉を支えた人物ですが、秀長の筆頭家臣であった藤堂高虎は秀長亡き後、有力大名や朝廷との交わり(人脈)という秀長の遺産を実質的に引き継ぎました。藤堂高虎の、そのような能力(人脈など)が天下を治めていくために必要であることを大いに理解していた家康は、彼に今治20万石を与え、その後には、西国(大阪)の監視役として伊賀国と中伊勢併せて32万石の国持ち大名(このランクの大名はそう多くない)としたのです。
訪問を終えて
今回の訪問では、藤田教授の熱弁により当初イメージしていた藤堂高虎像がどんどん変化していき、とてもワクワクしました。同時に、伊賀&津の街づくりに高虎がどのように関わったのか?など、高虎についてもっとお聞きしたくなりました。
来年の8月に予定されている教授の藤堂高虎に関する出版物が今から待ち遠しく思われます。